巨大な古本屋の夢

深夜も営業している大通り沿いの、巨大な古本屋に行く。外から見ると三階建ての建物だが店内はワンフロアで天井まで吹き抜けになっており、天井までの高さの本棚が壁を埋めつくして、上の方にある本はどうやって取ればいいのだろうと思う。十段ほどの階段があり、階段は店内を横断する橋へ至るのだが、とても上の方までは届かない。深夜なのにレジに人が並ぶほど賑わっている。僕はジェイムス・ジョイスのずっと探していた本を見つけて、立ち読みする。その本はどこから読み始めても最後には誰もが同じように理解できるように書かれていることで知られていて、僕は真ん中のあたりを開いて本当にそうなのか確かめたいと思いつつ読む。読んでいる右ページのストーリーを追いながら、ずっと左ページの『アルケー』という単語が視野の隅にあり、あとで意味を調べなくてはいけないと思う。