リサイクルボックス

夕方、思い切ってペットボトルをスーパーマーケットにあるリサイクルボックスへ投入しに行きました。リサイクルとは、現代における唯一の道徳的基準だと思います。と大して考えもせずに書きました。45リットルのゴミ袋にいっぱいのペットボトル。かさばるったらありゃしない。きちんと踏んづけてぺしゃんこにしているんですけどね。外へ出たとたん家の前で犬が糞をして、飼い主がぼくに申し訳なさそうな顔をしていました。家を出るたびに100%誰かが犬の散歩をしているのに出会うのは、いつまでたっても馴れることができません。もう嫌がらせとしか思えませんよここまでくると。スーパーマーケットのリサイクルボックスはぼくが想像していたのよりも大きくて、ふたも大きく開きました。もっと小さなものだった気がしていたのです。だから空いたペットボトルが部屋に増えれば増えるほど、心理的なためらいが増していったのですが、そんな心配をする必要がないほどリサイクルボックスは十分に大きなものでした。ぼくは自分の持って行ったペットボトルがリサイクルボックスにうまく収まらなかったらどうしよう、というような心配をしていたのです。といってもぼくが持ち込んだペットボトルのせいで、リサイクルボックスはほぼ満タンになってしまいましたので、もしぼくのあとにぼくがそこを訪れていたとしたら大変悲劇的な事態が持ち上がっていたことでしょう。ペットボトルを思い切って捨てに行ったのは、そのスーパーの近くにある酒屋で焼酎を買おうと思っていたからだったのですが、酒屋は火曜が定休日でした。つまり今日です。どうしてなのか? たまに行くお店が定休日なのは。気を取り直して定休日の酒屋の近くの量販店でペットボトルのお茶を2本買ったのも当初の予定のうちでした。ペットボトルの飲み物を買うとき、それが今日リサイクルボックスに持って行ったペットボトルになるという気がまったくしません。飲み終えたとたんに、ものすごく邪魔なかさばる物体に一気に変化しすぎと思います。もちろんその量販店にも焼酎は売っているのですが、思いっきり悩んだ末に買うのをやめました。やっぱり一人では酒を飲まない宣言を持続することにしたのです。だから焼酎となにか食べ物を買って帰って酒を飲みながら食べる、といういちばん最初の目的が失われてしまったので、定食屋で食べるという選択肢がにわかに浮上しました。定食屋にはまだ誰も客がおらず、主人とバイトの店員が客席に座って談笑しているところを邪魔してしまったような気になってしまいます。あの二人が仲良く喋っているなんて。そんなことまったく想像していなかったので、余計に邪魔をしてしまった気分になってしまいます。客が誰もいないとどの席に座ればいいのか迷ってしまうほど優柔不断ではないのですが、どうしても店側に都合のいい席に座るように心がけてしまい、つねに首を捻ってテレビを観ることになる冷房の真下に座ってしまうのでした。
深夜にはウィンブルドン観ました。今日は放送の直前に別のチャンネルのスポーツニュースをちらりと観てしまい、またもや結果を知っての観戦となったのですが、途中までは杉山愛が勝ってしまいそうで、あのニュースは夢だったんじゃないだろうか、などと思ったりしました。でも結局は、当たり前の話ですが、ニュースの通りにシャラポワがベスト4に残ったのです。結果を知ってしまうとスポーツはその面白みが台無しになってしまうものですが、どっちが勝つのか、という観点ではない観点から試合を観るというのもなかなか面白いものですね。どこが勝敗を分かつ場面だったのか、とか。そういったスリル。
明け方、初出時とは違った結末になっているという長嶋有さんの『パラレル』を読み始めました。